一人暮らしの狭いキッチンでは、「食器をしまう場所がない」「食器棚を置いたらさらに狭くなりそう」と悩むことがあります。
でも、食器棚を追加する前に、吊り戸棚や引き出し、シンク下、壁面など、今あるスペースの使い方を見直すことで収納場所を作れる場合があります。
棚の中の空間を上下に分けられるディッシュラックや棚内ラックなど、ちょっとした収納用品を取り入れる方法もあります。
この記事では、一人暮らしの狭いキッチンで食器を収納するときの考え方から、収納場所別の使い方、収納グッズを増やす前に確認したいことまで紹介します。
一人暮らしの狭いキッチンの食器収納は「入れる場所」より先に整理する
一人暮らしの狭いキッチンでは、収納グッズを増やせば解決するとは限りません。
収納ラックを置いたことで調理スペースが狭くなったり、棚の中へ収納ケースを詰め込みすぎて、かえって食器を取り出しにくくなったりすることもあります。
そこで最初に、
「何を持っているか」
「どこで使うか」
「どのくらいの頻度で使うか」
を確認します。
収納場所を考えるのはその後です。
食器の枚数より「よく使う食器」を先に分ける
最初に、手持ちの食器を使用頻度で分けてみます。
たとえば、
・ほぼ毎日使う
・週に何度か使う
・たまに使う
・ほとんど使っていない
くらいでも十分です。
毎日使うプレートや茶碗と、来客時にしか使わない食器を同じ場所へ収納する必要はありません。
取り出しやすい場所には一軍の食器。
少し取り出しにくい場所には使用頻度の低い食器。
このように配置を変えるだけでも、限られた収納を使いやすくできます。
食器を何枚持つかについては別の記事で詳しく紹介していますが、この記事では「今持っている食器を狭いキッチンへどう収めるか」を中心に考えていきます。
食器を減らすなら「使っていない理由」を確認する
狭いキッチンだからといって、いきなり食器を捨てる必要はありません。
まず、
「なぜ使っていないのか」
を考えてみます。
たとえば、
・奥にあって取り出しにくい
・重くて使わなくなった
・似た用途の食器が何枚もある
・大きすぎて使いにくい
・今の食生活では出番がない
などです。
収納方法を変えれば使うようになる食器と、収納方法を変えても使わない食器では意味が違います。
「狭いから減らす」のではなく、使用頻度と使わない理由を確認してから判断したほうが、自分に必要な食器を残しやすくなります。
作業スペースを収納場所にしすぎない
狭いキッチンでは、調理台の上に食器や調味料を置きたくなります。
ただ、もともと狭い作業スペースを収納場所として使うと、料理をするときに毎回ものを移動することになります。
まな板を置く場所がなくなったり、食材を一時的に置けなくなったりすると、収納量は増えてもキッチン自体は使いにくくなります。
そこで、狭いキッチンほど、
横に広げるより、棚の中・壁・高さ・隙間を使えないか
と考えてみます。

一時置きはゼロにするより「場所を決める」
狭いキッチンでは現実的に一時置きが必要になる場面もあります。
たとえば、洗った食器を乾かす場所です。
問題なのは一時置きそのものではなく、置いたものがそのまま残り続けることです。
水切りラックなら、
「洗った食器を乾かす場所」
と役割を決めます。
調理中に一時的に置く場所も、
「ここから先には広げない」
と範囲を決めておけば、作業スペース全体が物置になるのを防ぎやすくなります。
一人暮らしの狭いキッチンの食器収納は今ある場所から考える
食器の整理ができたら、次に収納場所を探します。
一人暮らしでは大きな食器棚を置けないこともありますが、食器収納は必ずしも食器棚でなければならないわけではありません。
候補になるのは、
・吊り戸棚
・引き出し
・シンク下
・備え付け棚
・壁面
・キッチン周辺の隙間
・キッチン外の収納家具
などです。
最初から新しい家具を買うのではなく、まず備え付け収納の中に食器の定位置を作れないか考えてみましょう。
吊り戸棚は棚内ラックで上下を分ける
吊り戸棚があるなら、食器収納の候補になります。
ただし、平皿を何枚も積み重ねると、下の食器を取り出すたびに上の食器を動かさなければなりません。
そこで使いやすいのが、棚内ラックなどで空間を上下に分ける方法です。
たとえば、
上段:小皿
下段:大皿
のように分ければ、同じ棚の高さを使いながら食器を分けられます。
収納量を増やすというより、大きな空間を食器の高さに合わせて区切るという考え方です。
高い位置には、毎日使う重い食器を無理に置かず、使用頻度や取り出しやすさも考えて配置しましょう。

引き出し収納なら上から見渡せる状態にする
深さのある引き出しがあるなら、食器収納に使える場合があります。
引き出し収納の良いところは、開けたときに中身を上から確認しやすいことです。
ただし、食器を何段にも積み重ねると、結局下のものが取り出しにくくなります。
平皿なら立てる、種類ごとに区切るなどして、
引き出したときに何が入っているか分かる状態
を目指します。
カトラリーも、仕切りケースを使えば箸・スプーン・フォークを分けて収納できます。
重要なのは、空間を隙間なく埋めることではありません。
取り出して、使って、戻すまでが簡単かどうかです。
シンク下を使うなら配管を避けて空間を分ける
シンク下は奥行きや高さがある一方、配管によって使いにくい場所でもあります。
その場合は、配管を避けられる伸縮ラックなどを使って、空間を上下に分ける方法があります。
ただし、シンク下の環境は住まいによって異なります。
食器を収納するなら、内部を清潔に保ち、湿気や水漏れなどがないか確認したうえで使うほうが安心です。
「空いているから全部食器収納にする」のではなく、住んでいるキッチンの状態を確認して判断しましょう。
シンク下が気になるなら別の場所を選んでもいい
シンク下へ食器を置くことに抵抗があるなら、無理に使う必要はありません。
吊り戸棚や引き出しが使いにくければ、
・小さなラック
・ワゴン
・薄型収納
・リビングやダイニングのサイドボード
などへ食器を移す方法もあります。
「食器はキッチンの中に置かなければならない」と考えず、キッチンに近く、取り出しやすい場所まで候補を広げてみます。
一人暮らしの狭いキッチンの食器収納は縦・壁・隙間を活かす
備え付け収納だけでは足りない場合に、初めて収納スペースを増やすことを考えます。
ここで重要なのは、床面積を大きく使う収納から考えないことです。
狭いキッチンには、
縦
壁
扉
わずかな隙間
という、まだ使っていない場所が残っていることがあります。
棚の縦方向が余っているなら二段に分ける
棚へ食器を置いたとき、食器の上に大きな空間が残っているなら、その部分は活用できる可能性があります。
コの字ラックや棚内ラックを使えば、一つの棚を上下に分けられます。
たとえば、
上:マグカップ
下:小皿
上:小鉢
下:プレート
などです。
ただし、ラックを入れること自体を目的にしないようにします。
ラックを置いたことで食器が取り出しにくくなるなら、収納量が増えても使いやすくなったとはいえません。
平皿は「重ねる」だけでなく「立てる」方法もある
プレートを何枚も重ねると、一番下のお皿が使いにくくなります。
そこで、収納場所によってはディッシュスタンドやファイルボックスなどを利用して、平皿を立てる方法もあります。
立てる収納なら、使いたいお皿を一枚ずつ取り出しやすくなります。
ただし、食器の大きさや重さ、収納用品の安定性によって向き不向きがあります。
無理に詰め込まず、食器が安定して収納できる方法を選びましょう。
壁面収納は食器より軽いものから考える
壁が空いているなら、フックやマグネット収納などを利用する方法もあります。
ただし、重いプレートを壁へ大量に収納するというより、
・軽いマグカップ
・キッチンツール
・ふきん
・軽量の小物
などを壁側へ移すことで、棚の中を食器用に空ける考え方が使いやすいでしょう。
つまり、壁へ食器を全部移すのではなく、ほかの物を壁へ移して食器の場所を作る方法です。

冷蔵庫横などの隙間も候補になる
冷蔵庫と壁の間などに隙間があるなら、スリムラックやワゴンを置ける場合があります。
数十センチの隙間でも、収納用品のサイズが合えば新しい収納場所になります。
ただし、ここでも先に採寸します。
「たぶん入るだろう」で収納家具を買うと、
・幅が入らない
・奥行きが飛び出す
・扉や冷蔵庫と干渉する
・通路が狭くなる
といったことがあります。
幅だけでなく、奥行き、高さ、引き出すためのスペースまで確認してから選びましょう。
一人暮らしの狭いキッチンでは収納グッズを買う順番も大切
狭いキッチンを見ると、収納グッズを買ってスペースを増やしたくなります。
しかし、最初に収納用品を買うと、その収納用品を置くためにさらにスペースが必要になることがあります。
おすすめしたい順番は、
食器を整理する
↓
備え付け収納へ配置する
↓
余っている縦・壁・隙間を探す
↓
必要な場所だけ収納用品を追加する
です。
収納グッズは、収納の問題が分かってから選びます。
棚内ラックは「高さが余っている」ときに使う
棚内ラックやコの字ラックが向いているのは、棚板と食器の間に高さが余っている場合です。
「収納が足りないからラックを買う」ではなく、
「この棚の上半分が使えていないからラックを入れる」
と考えます。
この違いだけでも、不要な収納用品を増やしにくくなります。
ディッシュスタンドは平皿を取り出しやすくしたいときに
プレートを何枚か持っていて、下のお皿を取り出すのが面倒なら、ディッシュスタンドが候補になります。
立てて収納することで一枚ずつ選びやすくなるため、
「収納量を増やしたい」
というより、
「今ある食器を取り出しやすくしたい」
ときに向いている収納用品です。
伸縮ラックはシンク下の配管に合わせやすい
シンク下を収納場所として使いたい場合は、幅や棚位置を調整できる伸縮タイプのラックも候補になります。
配管がある場所では、固定サイズの棚より配置を調整できるもののほうが合わせやすい場合があります。
購入する前に、シンク下の幅・奥行き・高さだけでなく、排水管の位置も確認しておきましょう。
食器棚を追加するなら「収納量」より通路を確認する
どうしても備え付け収納では足りなければ、コンパクトな食器棚やワゴンを追加する方法もあります。
ただし、狭いキッチンでは家具の収納力だけを見て選ばないほうがよいでしょう。
確認したいのは、
・家具を置いたあとに通れるか
・扉や引き出しを開けられるか
・冷蔵庫の扉とぶつからないか
・調理するときに邪魔にならないか
・食器を取り出す位置が使いやすいか
です。
薄型収納や引き戸タイプなど、狭い場所を想定した収納家具もあります。
「一番たくさん入るもの」ではなく、置いたあともキッチンが使いやすいものを選びましょう。

一人暮らしの狭いキッチンの食器収納は「見せる・隠す」も使い分ける
収納場所が少ないからといって、すべての食器を扉の中へ隠す必要はありません。
一方、空いている壁や棚へ何でも出してしまうと、物の量が目立ちやすくなります。
そこで、
よく使うもの・見えても気にならないものは見せる
使用頻度の低いもの・細かなものは隠す
という分け方ができます。
毎日使うマグなどは見せる収納とも相性がいい
毎朝使うマグカップなどは、取り出しやすいオープン棚などに置く方法があります。
気に入っている食器なら、収納しながらインテリアの一部として楽しむこともできます。
ただし、出しておく量が増えすぎると雑然として見えることがあります。
見せる収納にするなら、「よく使うものだけ」に絞ったほうがまとまりやすくなります。
色や形をある程度揃えると出しておきやすい
見せる収納では、収納方法だけでなく食器そのものも目に入ります。
白やグレー、ガラス、木など、ある程度共通する色や素材があるとまとめやすくなります。
すべて同じシリーズに揃える必要はありません。
手持ちの食器の中から、並べても違和感の少ないものだけを見せる方法もあります。
お気に入りの食器を少数持つ考え方も狭いキッチンと相性がいい
収納場所が限られているからこそ、たくさんの食器を持つのではなく、普段よく使うものをお気に入りから選ぶ方法もあります。
たとえばイッタラのティーマのように、プレートやボウルなど必要な種類だけを選べるシリーズを、自分の一軍として取り入れる方法もあります。
シリーズ一式を揃える必要はありません。
普段使うプレートだけ、よく使うボウルだけというように選べば、狭い収納でも自分の好きな食器を取り入れられます。
食器を減らすこと自体を目的にするのではなく、
「収納できる範囲で、使うものを持つ」
という考え方です。
まとめ|一人暮らしの狭いキッチンの食器収納は「増やす前に使い切る」
一人暮らしの狭いキッチンでは、収納場所が足りないからと、すぐに食器棚や収納グッズを追加したくなることがあります。
しかし、最初に確認したいのは今ある空間です。
まず手持ちの食器を使用頻度で分ける。
次に、
・吊り戸棚
・引き出し
・シンク下
・備え付け棚
など、すでにある収納を使います。
それでも足りなければ、
・棚の縦方向
・壁面
・扉まわり
・冷蔵庫横などの隙間
へ広げます。
そのうえで初めて、
・棚内ラック
・ディッシュスタンド
・伸縮ラック
・スリムワゴン
・コンパクトな食器棚
など、自分のキッチンに必要な収納用品を検討します。
狭いキッチンでは、収納量を最大にすることが必ずしも使いやすさにつながるわけではありません。
必要な食器が取り出しやすく、戻しやすく、調理スペースを邪魔しないこと。
そこまで含めて収納を考えると、限られたスペースでも自分に合った食器収納を作りやすくなります。

